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ネッシーくんとキリンくん解説(?)

年末なので出血大サービスでネッシーくんとキリンくんに関して書こうと思います。

ネッシーくんとキリンくん
~合わせて読むともっと楽しくなるかもしれない影響を受けた作品紹介~

というわけでまとめます。後日紙にまとめるかもしれないし、まとめないかもしれません。一応自分が読んだ版・出版社のものがわかる限りは書いていこうと思います。あと出版社のリンクも貼っておきます。このブログ見に来ている人が何人もいないとは思うけど……。

1)ジョージ・オーウェル『1984年』(髙橋和久訳 ハヤカワepi文庫、2009年7月)
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310053.html

2)ジョージ・オーウェル『動物農場』(岩波文庫)
https://www.iwanami.co.jp/book/b247405.html

3)オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(大森望訳 ハヤカワepi文庫、2017年1月)
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013442/

4)アゴタ・クリストフ『悪童日記』(ハヤカワepi文庫)
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310002.html

5)中島敦「狐憑」
これ単発で読んだので、青空文庫と、現状手にはいる文庫本のリンク貼っておきます。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/618_14528.html
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480425126/

6)萩原朔太郎『萩原朔太郎詩集』(三好達治選 岩波文庫、1952年1月)
https://www.iwanami.co.jp/book/b249251.html
『月に吠える』全般、特に「春の実体」

7)手塚治虫『ブラック・ジャック』第五巻「オオカミ少女」(秋田文庫、1993年8月)
https://www.akitashoten.co.jp/comics/4253169856


ほかにもいろいろなところから影響を受けていると思いますが、とりあえず挙げた作品について自分が読んだときなにを感じて、ネッシーくんとキリンくんにどういった形で表れているか書いてみます。

1)~3)1984年、動物農場、すばらしい新世界
これあまりにも「ディストピア小説フェア」(http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2017-01-19-183220.html)の並びだね(一個岩波で読んでるけど)……。
この三つは合わせてやった方が書きやすいのでまとめます。あ、あとこのフェアで挙げられている作品ぜんぶどれも良いですよ!!
だいたい全部社会が人間(動物農場は動物だけど)のことを管理して、おおよそ幸福と呼べる体制を整備している、という設定がある点は共通しているかなと思います。その「幸福と呼べる体制」に関してどういう視点からどういう描き方をしているか、はかなり違いますが。そしてそこにある「幸福」がほんたうのさいはひとどれだけ近いものかは読んだ人が考えることだと思いますが。

ネッシーくんとキリンくんのどういうところに表れているかといえば「体制」が規定している禁止事項に関しては話すことが許されていなかったりとか、普通に暮らしていれば不便を感じずたのしく暮らせる感じがこの三つの作品ごちゃまぜになって表れているかな? と思います。

4)悪童日記7)「オオカミ少女」
「トンビと『外』」はこのふたつに影響されてる回だと思います。境界があるところと、境界を越えると死ぬ感じが。

悪童日記はそこにある(存在している)脅威や苦痛となりうる出来事が「存在していることはわかるがそれを感じることができない」距離の、ある種乾いた文章がつづくのが良いです。
「オオカミ少女」これ社会の都合で境界が生まれてそして時に人が死ぬ話なんですが、ブラック・ジャックは先生が患者を助けたとしてもそのあとで死んでしまったりするので気が抜けない。

5)狐憑
中島敦というと今は文スト/文アルなのかな?
「ようグシャアなるテリアさん」の回はこの狐憑に影響受けてます。「ようグシャアなるヨークシャーテリア」っていうこの名前の感じはむしろルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の影響下に置かれている気もしますが。
創作者が創作できなくなったら……ということ一度でも考えたことある人は読んでみるといいと思います。

6)春の実体/月に吠える
「春だねぇ」の中で描いた春の季節のすがたは朔太郎が描いている、あの肌が見ている感じがする詩とも重なるな~と思っていました。ちなみに私は一年の中で一番苦手な季節が春です。
『月に吠える』のぬめぬめした感じ好きです。

7)→4)のところでセットで書いたので割愛。

あとトビウオの話は金子みすゞ「大漁」を合わせて読むとなにか思うものが出てくるかもしれません。
ここに挙げた作品のほかにも、先達たちが残したたくさんの作品からいろんなものを得る中でネッシーくんとキリンくんの話が生まれています。実は。実は。
ということで盛大に布教したところで今年の書き納めということにいたします。本年はありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
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